人と樹木と鉱物と、善と悪と生と死と、時間までもが境をなくして溶け出した。

なんだろうこの感覚は。おかげで、こちらの心と身体も曖昧になってくる。

　「答えは有るとも言えるし、無いとも言える」そう話すあの人から、いまは目が離せない。

探し続けた先にあるのは、悲哀に満ちた美しさなのか歓喜にあふれた淋しさか。

　「世界がうまれた最初の一日。世界がなくなる最後の一日」

そんなことは、とっくにどうでも良いのだが、生きてることを証明したくて

流した涙は、どこかに置いた。私は私を許してあげたいだけなのだから。